プラスチックから繊維もいいが、最初から植物繊維でよいのでは?
大量のゴミ(使用済プラスチック類)による、世界のリゾート地の海岸の汚れのひどさと、海水中に漂う微小なプラスチック片が、マスコミにより広く拡散されました。
たしかにあの映像は、不快そのもので、あんな場所に行きたいという気持ちには、とてもなりません。多くの人が、そのように感じることでしょう。
こういった問題の解決のため、捨てられるプラスチックを減らすリサイクル技術が発展してきました。
たとえば廃プラから化学繊維を作りますが、その工程で新たなエネルギーが必要です。もともとの化繊原料から繊維をつくるより、多くのエネルギーが必要です。
考えてみれば、当然のことです。
既存の製造工程が確立している生産活動に、「リサイクルしてます」感を匂わせるため、別の流れの中で、「できてしまった」中間物を無理やりねじ込ませる、というのは、私はよろしくないと考えています。
化学繊維は、生産効率がつきつめられている従来の方法で、つくればよいのです。
回収して選別したプラスチックからは、それが本来の生産工程となるような、何か別種の製品・サービスを作り出すべきです。
原料を石油以外に求める場合の選択肢
今年は、過去に記憶がないほど、梅雨が早く終わってしましました。そして強烈な陽光の下で、全ての植物が勢いよく成長をしています。そろそろイネの出穂も始まります。
農村を歩くと川筋の湿り気の多い場所で、イラクサの仲間をよく見かけます。夏場を過ぎるころになると、この仲間は大人の胸ほどの丈となり、葉の様子などとても手に触れたいとは思えないほど小さな棘が密集します。
![](https://sansyu-dayu.com/wp-content/uploads/2022/07/6461bab8413e202cf146430f8944353e-e1657367200634-1024x683.jpg)
写真はカラムシ(苧麻)で、最も一般的に人里近くで見られるものです。カラムシや同族のヤブマオに付く「ラミーカミキリ」が、偶然にも姿を見せていました。
カラムシは古来より蒸してその茎から繊維を取り出し、織物の原料としていました。漢和辞典を繰ると、「苧」の一字でカラムシを表すそうです。
ペットボトルは、繊維原料として再利用するケースが一番多いそうですが、そもそも麻(アサ)以前に利用していた繊維素材として、こんな選択肢もあるのでは?と考えます。
原料確保にこそ再生可能という概念が重要
化石燃料は使い切りの資源であるということが、現代において敬遠される理由のひとつです。
石油をエネルギーではなく原料として見るとき、石油に代わる原料として、現在様々なものが取り上げられていますが、当然のこととして、再生可能原料であることが自動的に求められます。
紙ストローにするのも良いですが、その紙は原料ではなく、素材です。素材である紙の原料は、何にしますか?
ことがストローではなく、繊維全般に視野を広げたとき、毎年、さほど手間もかからず、繰り返し生産することの可能な、麻やカラムシなどの身近な植物を、重要な再生可能資源の候補として考えるべきではないでしょうか。
![カラムシ](https://sansyu-dayu.com/wp-content/uploads/2022/09/karamusi-e1663506648195.jpg)
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